共に住み継ぐということ ー2つの中庭でつながる2世代住宅ー
1992年に建てられた住宅の増改築である。1992年当初は親世代と子世代の「同居」のための家であったが、今回の増改築では「同居」でもなく「2世帯住宅」でもない、その中間的な「2世‟代”住宅」を目指した。近年は核家族化により同居が好まれない傾向がある一方で、都心では2世帯住宅とするための十分な土地がない。この「2世‟代”住宅」では玄関や水廻りは分けつつもダイニングを共有することで、それぞれの生活スタイルやプライバシーを保ちながら互いの気配を感じることができる。さらに外部には性格の異なる2つの中庭があり、当初からあったコンクリート打ち放しの2階の中庭は子世代、新たに設けた緑豊かな1階の中庭は親世代の中庭となっている。これらの中庭は外階段で立体的につながり、ほどよい距離感の憩いの場所となっている。ものであふれ、そして核家族化が進む現代だからこそ、古くからある家を生かして世代を超えて住み継ぐことを大切にし、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に対応していける住宅を目指した。
用途:専用住宅
所在地:東京中野区
主構造:既存部/RC造、増築部/木造
業務範囲:既存部の改修設計、増築部の設計、家具設計、植栽計画
設計者:遠藤奈々子
敷地面積:167㎡
建築面積:102㎡
延床面積:178㎡
竣工:2023年2月
【住宅建築2024.08掲載】
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